手術…切腹された日と、その後のこと…その1
10月10日。
ーー入院7日目。本日手術日。
朝一で、昨日申し込んだ職場提出用の診断書が届きました。
腹を切られた(斬られた)ら、暫く動けない…
急ぎ封筒に宛名を書き切手を貼り、いそいそと一階のポストに投函に行きました。
この日は、朝からせわしなく、慌ただしい日となり、そして長い一日となりました。
昨日購入のT字帯を付けて準備します。
これは…褌(ふんどし)でした…
手術は午後、前の方の手術が若干長引いたので、手術の時間がズレ込みました。
暫くは休憩場で、その日の手術を受けていた他の身内の方々とご一緒しました。
姉と母、そして母の弟である長男夫妻(親戚)が館山市から高速に乗り、病院まで駆けつけてくれました。
オペ室の準備が出来ました。
と、看護婦さんのお迎えがあったので、自分の足で向かいました。
オペ室の前で、姉と母、親戚夫妻に、にっこり笑って手を振り、足を踏み入れました。
ーーここから頑張るのは、自分ではない。
執刀してくれる先生方が頑張るのだ。
自分は任せるだけ…寝てしまうのだから。
そう思ったことは、忘れてはいないーー
初めてのオペ室に、部屋の中をぐる〜っと見渡したことを覚えております。
ひとりの手術に、こんなにスタッフがいるの?!
と驚きました。
消化器外科と婦人科のそれぞれのスタッフだったのでしょうか…
自分はまず麻酔医師さんと向き合いました。
「これからこの管を、首の後ろから背骨の中に通して腰まで通すからね。脊髄を傷つけないよう、入れていくから」
そして、首の後ろからズリズリと…管を通されていきます。
「え…っと、とても響いて入ってくの、判るんですが…ズリズリと…」
この場においても、感想を述べていました。
「痛くないでしょ?これをね…」
いきなり、身体がビクっとしました。
「こうやると神経通ってるから、ビクってなるんだよ!」
と…、これは辞めて欲しかったです。
かなり驚きました。骨の中を通るおぞましさ…慣れる感覚ではありませんでした。
「無事入ったよ!触ってみる?」
貴重な体験なので、入ってる管を触らせていただきました。
「これからこの管に麻酔を流していくから、意識がなくなるからね。
大丈夫!寝てるのと変わらない。起きたら手術は終わってるよ。
数、数えてみようか!」
そして、数を数え始めてすぐに自分は意識を手放しました。
自分が眠りについたその後、手術が始まり、家族説明があったとのこと。
移動した病室で看護婦さんに起こされた後、姉から報告を聞きました。
意識が、戻って一番最初に感じたのは、鼻から胃に入っている呼吸器の空気が、酷く苦しく、とても痛いものでした。
会話も出来ず、この拷問のような時間は一晩中続くのです…
長い夜の始まりでした。
我が家のスジエビ 君と、ザリガニ君。
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