電車に身投げをしてしまった従姉妹のこと。…その4
自分が今の住まいに越して来て、暫く経った頃…
たまたま外で作業をしていた自分を、走行する自動車から気づいた人物が、家の前で自動車を停めました。
自分は、誰か判らなかったのですが、同乗しているもうひとりの人物に、親戚だと認識しました。
運転していた男性は、小さい頃の面影ですぐにわかった。と言いました。
そのひとは、年上の従兄弟で、同乗してたのはその母親、父の妹のひとりでした。
引っ越し先の住所も電話番号も教えずにいて…最後にあったのは子どもの頃でした。よく顔を覚えていたなぁ…と、驚いたものです。
しかも住宅地に入り込んで、偶然見つけるとは、必然の出来事としか思えません。
とりあえず、家に上がっていただきました。
そして、その親戚から従姉妹の死を知ることになったのです。
亡くなってから既に月日は流れてました。
前の住まいで、自分が抗がん剤治療をしていた時期でした。
従姉妹は、電車に飛び込み…自殺をしたのだと聞かされました。
自分が癌で当時闘病していたのを知ると、これにも驚いておりました。
電車を停めたことで、多額の賠償金が遺族に請求されたのだと聞きました。
今住んでいる家が何軒も…買えてしまう額で…普通の家庭のひとに払えるとは思えない金額でした。そのため、裁判をして軽減してもらったそうです。
結果…保険金、母親の退職金の全額をあて、妹の稼ぎで、なんとか全額を払い終えたと聞きます。
従姉妹の産んだ娘は、母親が養子として引き取り、妹もまた、実の子のように接しているそうです。
両親をなくしたその子は、学校に行けばイジメの対象になってると聞きます。
…救いがあることを願わずにはいられません。
従姉妹の…亡くなった時の新聞記事を読みました。
名前は記載されてませんでしたが、場所と時間で従姉妹のことだと判りました。
従姉妹とは、親しい関係ではありませんでした。
けども、歳の近い従姉妹が居なくなったと知り、とても悲しかったのです。
電車への身投げは、周りにも深い、心の傷と賠償が負わせられます。
遺体も綺麗なものではなく、肉片と化します。
そのため、すぐに回収出来ない状態になることもあり…遺体の上の車両を移動させられたことが自分にもあります。
安易に電車に飛び込めば、楽に死ねる。そう思わないで欲しいのです。
従姉妹の話はここまでとします。
どうか、遺された娘が同じ道を辿らないよう…いまは、そう願っております。
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