退院に向けての、カウントダウン!…その3
10月18日。
ーー入院15日目。術後八日目…
術後当時、
退院予定は、10月23日でありました。
退院まで、あと5日……
リハビリが進んでいた自分は、担当医から、
「23日まで入院しなくっても大丈夫そうだね。退院20日にしようか?
それとも予定通り23日まで入院しとく?」
自分の頭の中には…
愛犬に会える!
美味しいものが食べられる!
何より愛犬の元に戻るべく、リハビリを頑張っていたのだ!!
「はい!その日にお願いします!」
…後から気づいたのだが、高額医療費の限度額適用認定証が間に合うか?!
ということでした。
この頃、外の空気が…風が…
とても恋しくなっておりました。
休憩場から眺める外の景色は、
入院した時に比べ、二週間程しか経っていなかったのに…秋が深まってました。
こういう状況だったので、退院は…
かなり気持ちを急き立てました。
この日、婦人科での検診と術後の説明があり、母も同席しました。
術後の経過は問題なく、次は11月1日の検診となりました。
消化器外科に入院してるので、術後経過は消化器外科で管理されてました。
母の元にも退院の日取りが知らされました。
10月19日。
ーー入院16日目。術後九日目…
常にリハビリで、休憩場への往復をしていた自分に、屋上にひとり行ってたらしい同じ部屋の方が声を掛けてくれました。
「えっ?屋上なんてあったんですか?!」
「そうなんですよ!良かったら、一緒に行きませんか?」
長いこと、ずっと…外の風に焦がれていた自分は、喜んでご一緒しました!
切腹された後の身体には、歩く振動も痛みとなり、貧血気味でしたが、屋上までの道のりを頑張って移動しました。
途中、看護婦さんや婦人科の執刀医の女医さんが、
「え?××さん?!
こんなに遠くまでリハビリで歩いてるの?!」
かなり驚かれておりました。
屋上までの道のりは、別の棟でしたから。
ようやく屋上にたどり着き、扉から出ると…
久しぶりの風が肌にあたり、既に空気は冷たくなっておりました。
二週間で…一気に秋になってました。
「皆さんずっとベッドにいらっしゃって……ほかにリハビリしてる方がいないみたいで…
けど、××さんだけ、いつも部屋にいらっしゃらなかったから、一緒にリハビリに行けたらなぁ〜って思ってたんですよ!
声掛けて良かった!」
そう言って貰えて、
「こちらこそ、ありがとうございます!
ずっと外に出たかったから、とても嬉しいです!」
「良かったら、明日の朝もご一緒しませんか?
それと、明日の退院おめでとうございます!」
聞こえてたんですよ…と遠慮がちに話してくれました。
「はい!喜んで!是非明日も来ましょう!!」
こうして、明日の朝、屋上に行く約束をしました。
この日の午後の面談時間には、友人Cが剥いたリンゴを持ってお見舞いに来てくれました。
そこに、友人Nもやって来て、一緒にリンゴをいただくことになり、楽しいひと時を過ごしました。
友人が帰ったあと、母が来て、
「明日はここからタクシーに乗って帰ろう…」
実際……
駅まで歩くのはそのときの自分には難しく、それが一番良い手段でした。
「限度額適用認定証、まだ届いてないよね…」
この日も…届いてませんでした。
請求書(見積り)額は、80万円でした。
退院するには、この金額を自分で立て替える必要があります。
ちなみに…この額は6年前であり、病院によって、入院費や病室費、食事代…様々な内容で金額が異なるため一概に幾らとはいえません。
母には、入院前に通帳と通帳番号を預けていたので、退院時のお金を引き落としてあるかを確認しました。
ギリギリでも、明日の朝には…
限度額適用認定証が到着してないかと…願わずには居れませんでした。
千葉県 成田山新勝寺入口
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