薬膳な共生ライフ

自分にとっての身近な癒しを日記にしてます。身近な生き物との共生…薬膳であり、癒しであり。そして、生きる糧となる。

S状結腸ガンと子宮筋腫で入院する前の出来事…その4

職場に電話を入れると、自分の上司が電話口に出てくれました。

「××です。

2日連続でお休み頂いてしまい申し訳ありません。本日病院で、ガンと診断されました。明日から入院が必要とのことで…これから職場に報告に向かおうと思います。申し訳ありませんが、明日からしばらくお休みをいただきたいのですが…」

 

どう話せば良いのか悩みつつ、逆に電話口の相手もパニックになってる様子がわかりました。

少しすると、電話口の相手も落ち着きを取り戻し、

 

「今、自分の携帯電話だよね?お金掛かるといけないから、こちらから折り返すね?ちょっと待っててくれる?」

 

少し待ち時間がありました。

どうやら課長に報告をしてから折り返してくれたようで、

 

「職場に来ないでいいので、お身体お大事にされてください。

課長から、何のガンなのかと聞かれたんだけど…わかる?」

「大腸ガンです。まだ詳しく検査をしないといけないので、詳しいことは、これからになります」

「わかったら連絡もらえる?あと、入院期間がどれくらいになるのかとか…手術日を。長くなるようなら、一定期間過ぎた後に給料の半分がもらえるよう手続きしないといけないから。それまでの期間は、残りの有休を全て消化して、絶えず収入が入るよう総務とも相談しとくね…これから先、お金掛かるもんね。明日もまた連絡もらえる?

今、課長に電話変わるね?」

 

そんなやり取りをして、課長と話し、また自分の上司と話をして電話を切る。

 

さて、困った…

 

父もガンで亡くしてるのに、自分もガンになるとは…

 

親不孝だなぁ…

 

…知らせない訳にはいかないから、取り敢えず母には、一番に電話を入れる。

 

ツーツーツー…

…いない…

 

では、次はお世話になってる母の弟である長男夫妻(親戚)に電話を入れて…

 

体調が悪いのを気にかけてくれてくれてたから、報告しないといけない…とくに奥さんに…

 

「こんにちは。××です。

今、病院からなのですが、ガンがみつかって、明日から入院することになりました。

…気にかけていただいてた不調の原因がわかりました」

 

…そんな報告をしたものの、まさか本人がガンであるとは思われず、見舞いに行ってた知人のことかと勘違いをされる…

 

その後、驚かれ、

「詳しいことがわかったら連絡して!

大丈夫?手術には絶対行くから!」

 

そんなやりとりの後…電話を切りました。

 

…何年も連絡を取り合っていないけど、母のこともあるから姉には連絡しないと。

この時間大丈夫かな…仕事中でマズそうだけど、早めの連絡をいれるべき内容だよね…

 

「もしもし、仕事中にごめん。××だけど。」

「いいよ!べつに!何かあったの?」

 

ずっと音信不通だった姉が仕事中にもかかわらず、話をきいてくれました。

 

「実は今病院で…ガンになったから明日から入院しないといけないんだ。手術することになった。

本人は元気だけど、何かあった場合困るから、念のため。

母のこと歳だから心配だし。報告しようと思ったんだ…」

 

「何?!ガンだって?!明日入院なの、同行しようか?大丈夫なの?」

 

心配してくれる電話口の声に安心しました。

 

長いこと音沙汰なかった状態だったのに、気にかけてもらえ…

家族だと、思いました。

 

 

そして、家に帰宅後———

 

母から

「結果どうだった?なんともなかった?」

そう聞きながらも、デパートで買い物をしたとみられる荷物を解いていて、

「明日からしばらく入院することになったんだ。手術が必要だって。ガンだった」

 

「………」

母の手が止まった…

その後なんともなかったように、

 

「自業自得だね。今夜は食べれるの?」

 

「消化の良いものにしてくださいって。湯豆腐とか。

そんな訳で申し訳ないんだけど…大切なシュトーレンをしばらく頼めるかな。お願いします。」

 

足元には常に控えていた愛犬で愛娘でもあるミニチュアダックスのブラックターン、シュトーレン(通称:レンレン)がいた。

 

 

シュトーレンは、父が亡くなって半年程経った頃、警察で保護されウチにきたミニチュアダックスの仔犬だった。

飼い主が見つかるまでの間、預かることになった娘。半年後、飼い主が見つからずに正式に我が家の娘となり、10年もの間ずっと側にいてくれた。

 

自分が熱を出して寝込むと、小さな体でタオルケットを引きずって運んできて掛けてくれる。時には枕元に、隠しておいたおやつをお供えのように置いて看病してくれるのだ。

優しい愛娘である。自分は、このシュトーレンと共生してるのだ。

 

離れ離れは寂しい…レンレンに

 

「ごめんね。明日からしばらく留守するけど、必ずレンレンの元に帰ってくるから、待っててね」

 

この子のことが何よりも大切だった。

 

父の愛犬ビーグルの雌の八卦は、父が亡くなるひと月前にこの世を去り、父を待つために先に虹の橋へとむかっている。だからこそ、

 

「レンレン、早まらないでね。絶対帰ってくるから、家に母と居てね」

 

自分は、全く死ぬ気はなかった。

 

 

そして、その日の夕食が、手術前の最後の晩餐であり、その日から一週間以上もの間…

食事を摂ることが出来なかったのである…

 

夕食は、湯豆腐であった。

湯豆腐にはほうれん草が入っていて、ほうれん草を食べたことをのちに…悔やむこととなった。

 

〔ほうれん草は、食物繊維で消化が悪いのだ。くれぐれも間違えてはいけないのである。〕

 

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千葉県市原市の高滝湖のオブジェ。

 

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